稲刈りリトリート

前日までの曇り空が嘘のような快晴に恵まれた9月3日、千葉県香取市栗源町で農家の堀越さん・富澤さん・石橋さんのご協力のもと、36名で稲刈りとおだがけをしました。参加メンバーの1/3がお子様という、子どもの歓声と笑顔が絶えない、とても優しく豊かな1日でした。

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自然と人間、都市と農村、身体と心を統合するコンセプトのもと、「身体性の回復」をテーマに、自然との共創造を行なう稲作。今年の稲作は、休耕作となっていた田んぼを再生し、農薬を使わない有機農法に取り組んでいます。4月1日に種籾を蒔き、4月29日に田植えをし、その後2週間ごとにぐんぐん成長する草を刈り、無事に稲刈りの日を迎えることができました。普段の都市生活では思考に偏りがちな私たちが、農村の自然と、そこに暮らす農家の方々と共に時を過ごし、身体の声に耳を傾けながら、1人ではなくコミュニティとして、稲作を身を以て体験してきました。

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見渡す限り広がる、黄金色に輝く田んぼ。照りつける日差しから隠れるように帽子をかぶると、頬を撫でるのは優しい秋のそよ風。耳をすませば、蝉とコオロギの合唱が聴こえ、稲の成長とともに移り変わる季節を感じました。

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手のひらに収まっていたあんなに小さな稲が、4ヶ月でこんなに大きくなるなんて!田んぼに入り、腰ほどの高さで頭を垂れている、豊かに実った稲たちに鎌を入れていきます。最初は頭でっかちで考えてしまい、ぎこちなかった動作も、身体を稲に合わせて動かすうちに、自然との相互作用でチューニングされていく。参加した仲間からも、「身体の動きを稲にあわせていったら、最終的には体が柔らかくなった感覚が得られた」「疲れているのに頑張れてしまう、そんな力が自然にはある」「相互作用する環境の中で体を動かすことが新鮮だった」などの声が。いつの間にか、私たちの心と身体、そして目の前にある生命と自分の生命が、大自然の中で重なりあっていました。

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田んぼのあちらこちらで稲の間からひょっこり飛び出す、蛙、コオロギ、バッタたちに、子どもたちは大喜び!捕まえた新しい友達を、見てみて〜と嬉しそうにみんなに見せてくれました。

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「子どもたちがはしゃいでいる様子をみていたら、みんなでここにいるということが有り難く、これでいいと思えた」「稲作をするということと、小さい子どもたちが場をつないでくれたことで、みんなの中に入って行けた。子どもから教えられることが多かった」と、今日の先生は子どもたち!元気に走り回りながら、まるで糸を紡ぐように、人と人、そして人と自然が繋がっていきます。

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声を掛け合いながら、刈った稲をようやく全ておだがけできたら、お待ちかねのお昼ご飯。大切に育てられたお米と栗源の新鮮なお野菜を、ご飯チームが40人分の色鮮やかなお食事に変身させてくれました。豊かな自然の恵みを、育ててくださった農家さんや、大切な仲間と家族と一緒に、太陽の下でいただく幸せ。美味しいね、と笑いながら一口噛みしめるたびに、都市生活でスイッチオフしていた体中の感覚が蘇ってきます。「人のために丁寧に料理を作ることの喜び、作ったご飯をみんなが食べてくれていることが素晴らしい体験だった」「自然の恵みをいただき、大切な人に食べてもらうという循環がとても尊い」と、最高の昼食を作ってくれたご飯チームのみんな、ごちそうさまでした!!

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そして今回は特別に、農家のおばあちゃん静子さんが朝3時半に起きて、みんなのために作ってくださった草餅と、もぎたての甘い柿をデザートにいただきました。前日からおだづくりをしてくださり、また久しぶりの晴天という貴重な1日を私たちと共に過ごしてくださった農家の皆様、本当にどうもありがとうございました。

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「都会にいる人間としての勝手な思い込みがあった」「田舎、自然という言葉の裏に何があるかを捉えないといけないと思った」「農家の方々が自分たちの現状を変えていきたいとの思いも、汲み取っていきたい」「自然の中でオープンマインドになっていた」と、それぞれが稲作を通じた意識変容を感じつつ、心地よい身体の疲れとともに帰路につきました。

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豊かな大地に包まれながら、自然と繋がり、家族や仲間と繋がり、自分自身とも繋がっていく。平和の原点が、お米一粒一粒に詰まっているのを感じた初秋の1日でした。

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文責:吉岡利代